公務員の退職金は最近よく話題になり、支給額も一時よりはかなり減額されております。ニュースでよく耳にするのは、賃金にしろ退職金にしろ「民間並み」という言葉です。
元々根っこがまったく違う公務員と民間サラリーマンが相比較されるようになったのは、いつの時代からであったのか筆者もよく覚えておりません。そう言えば公務員の共済年金と、民間の厚生年金が近い将来合体するという話しも聞こえてきております。
国家公務員の退職金制度
さて国家公務員の退職金(退職手当)制度については、2012年11月に退職金の減額を目玉とした法案が国会を通過しました。2013年より2年半かけて段階的に民間水準へさや寄せされることになりました。具体的にはおおよそ13%の減額となります。
例えば、2012年12月に退職すれば2500万円もらえる人が、2014年12月では2175万円となりますので相当な減額になります。それ故この法律の施行後、多くの公務員(主に地方の教職員)が一度に早期退職することになった事記憶に新しいところです。
2012年から新たに加わったもう一つの制度があります。それが定年前早期退職特例措置
に「応募認定退職」が新たに対象になったことです。
この特例措置は30年ほど前に制定されたもので、定年前15年以内に勤続20年以上の職員が、勤務中残念ながら傷病や死亡により退職を余儀なくされた場合の退職金割増制度でありました。
今回この特例措置に、各省庁が行う早期退職募集に応募し、認定を受けて退職する「応募認定退職」をする人の退職金も含まれるようになりました。割増を簡潔に説明すれば、定年前の残念数1年につき3%本給(公務員では俸給月額)が割増されて算定される、というものです。
希望退職制度と同じ
例えば、54歳で応募認定退職すれば、退職時の本給が3%×6年=18%増えて算定されるということになります。現在勤続35年以上は、勤続年数別支給率(かけ率)が同一なので、事実上この18%割増分が退職金割増の主要部分となります。
言うならば民間企業の、希望退職者の募集制度であります。
上述のとおり、公務員の退職金はすでに段階的に下がっている途中ですが、この応募認定退職制度で少しでも救うということなのでしょうか。
ただしここで冷静に考えなければならないのは、早期退職でたしかに退職金は優遇されましたが、年金はあくまで勤続年数(保険料支払い期間)で決まります。
老後の生活を第一に、自分に即した退職を目指していただきたいものです。