ご承知のとおり我が国日本は「国民皆年金」の国です。
20歳以上60歳未満の人は強制的に年金の被保険者(年金加入者)となります。したがいまして60歳以上で定年退職する人はさらなる加入は必要ありませんが、早期退職の人は、何らかの年金に加入しなければなりません。
新入社員が23歳で速攻で会社辞めようが、ベテランの55歳が早期退職しようが同じです。
国民年金は義務なのです。
支払いを怠ると脱税と同等に厳しい処分が待ってます。
(銀行口座差し押さえとかガツン!と来ますよ)
目次
国民保険について
国民年金は20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている納入義務のある年金です。同時に満期を迎えると私達国民へ戻ってくる(支払われる)積立金のようなものです。
国民年金の保険料は定額です。
平成28年度は月額16,260円となっています。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000110901.pdf
国民年金の支給額は加入期間に応じて決まります。
例えば満期の40年間、
23歳で就職して63歳まで480ヶ月の間
国民健康保険を払い続けていた場合
780100円 × 加入月数 ÷ 480ヶ月
加入期間が満期の40年間ある場合には満額がもらえますが、途中で収めていないとか離職で払えなかった期間があるとその未払い期間に応じて満期時に貰える金額は減ります。
厚生年金について
給与明細を見ると厚生年金保険料の枠があって毎月よくわからない保険料が控除されています。これの詳細は複雑なので理解するのが難しいです。
簡単にいうと、
- 若く元気に働けるうちに
- 国民健康保険に紐付けて
- できるだけ保険料という名目で収めておく
- 収めた金額を溜め込んで
- 収めた金額に応じて支払う
つまり
年取ってからもらう年金の金額に上乗せするための年金
そんな理解でいいです。
この表を見ればわかるとおり、意味不明といってもいいくらいわかりにくいです。
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20150731.files/0000029322XDcscLTTM3.pdf
厚生年金保険は、国民年金に上乗せされて給付される年金です。基礎年金となっている国民年金の金額に厚生年金保険の受給額が加算され合計金額をもらうことになります。
厚生年金保険の受給対象者は、主に会社員やサラリーマンです。
厚生年金保険は、健康保険と同様に法人などの事業所単位で適用されます。原則として、法人の事業所は一人でも従業員がいる場合は強制適用事業所です。
個人事業の事業所でも常時5人以上の従業員が働いている製造業や運送業、金融保険業などの事業は強制適用事業所となり、厚生年金保険に強制加入となります。
それぞれの職業や立場で違いがありすぎるので会社の総務にまかせておけば問題ないのですが。。
国民年金に対する勘違い
よく勘違いするのは、
「自分はもう年金保険料を25年以上支払っているので、将来年金をもらえる立場である、だからもう保険料を払わなくてもいいんじゃないの?」という勘違いです。
25年は年金支給を受けるための最低期間です。
払った保険料を所定の年齢で貰えるための条件が25年という支払期間です。
強制的に納める保険料の期間とは人によって異なるものです。もちろん納める期間が長ければ長いほど、収入に寄って納める保険料が多ければ多いほど、将来受け取る年金額は増えることになります。
具体的な例を以下に
- 早期退職後すぐ転職する場合
給料の違いによる納める保険料の違いがあるだけで、他は変わりません。 - 早期退職後しばらく休養する(仕事を離れる)場合
再就職先への勤務までの期間、国民年金に加入する。休養期間が半年なのか、1年なのか2年なのか、それ以上なのかは別にして、国民年金1号被保険者として保険料を納めることになります。 - 早期退職後自営業者になった人
国民年金1号被保険者となります。学生、アフィリエイター、小説家、写真家、大工等と同じです。
原則60歳まで保険料を納めることになります。 - 早期退職後(夫が勤めていてその)専業主婦になった人
国民年金3号被保険者となります。この場合年金の保険料は払う必要はありません。
わかりにくいですね。
いかなる立場になろうとも国民年金はトータル25年以上支払わなければいけない。
そういう理解でいいんです。
23歳で就職して25年で48歳です。
25歳から40年で65歳です。
65歳以降に貰える年金の平均額
国民年金は65歳になったら払い出しになる(貰える)のですが満額で月額6万5008円です。
払込期間が40年に不足する場合がそこから減額されます。
働かなくなって6万5千円じゃあ生活できないですよね。
そこを補填するために厚生年金という表現に包み込んだ納入金があるわけです。
厚生年金は現役時代の収入で納める金額が大きく違ってきます。そのため65歳以降に貰える年金(国民年金と厚生年金の額)も変わってくるわけです。
実際に65歳以降で厚生年金貰ってる平均はどのくらいかというと
平均してこんな感じです。
国民年金 単身者
55,244円
国民年金 夫婦
110,488円
厚生年金 単身者
145,305円
厚生年金(夫)+国民年金(妻)
221,364円
厚生年金 夫婦共稼ぎ
268,251円~290,610円 実際に支給されている国民年金の平均月額は5万5千円、厚生年金は14万7千円「年金支給額は、国民年金が平均月額で5万5千円、厚生年金は14万7千円」という実績が公開されています。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H27.pdf
国民年金と健康保険は別のものですよ
早期退職とともに考えなければならないのが、年金と健康保険です。
二つ合わせて公的な社会保険と称されますが、退職後ゆったり生活をおくれるか、反対に厳しい生活になるかの一つの要因は、避けることができないこの社会保険をどのような形にするかで決まると言っても過言ではありません。退職前に十分な検討をお願いします。
なお社会保険はこの他にも、介護保険や雇用保険が存在します。
早期退職では特に雇用保険の失業給付について説明する必要がありますが、ここでは主ポイントである国民年金のみ言及させていただきます。
雇用保険の失業給付金については自己都合で早期退職する場合、離職後の再就職活動をいかに励んでいるかがポイントになります。
失業の定義は「職を探してもない」ということで、職を離れたことはポイントにならないこと要注意です。