【減収】年収700万円から400万円へダウン営業職一筋30年で転職50歳での再就職体験談 | 高卒の就職と転職で年収700万円を目指す

【減収】年収700万円から400万円へダウン営業職一筋30年で転職50歳での再就職体験談

50代になって大幅な減収を伴いながらも健康な生活を手に入れた転職の体験談です。

目次

営業職一筋30年で転職50歳

簡単な自己紹介

わたしは現在51歳の男性です。現在は人材派遣会社の社員として働いています。といっても人材派遣業自体をしているのではなく、ある日用品メーカーの営業代行の仕事に携わっています。

世の中には会社を設立したけれど営業のやり方がわからない、とか、正社員は増やしたくないけれど営業が少なくて困っているメーカーというものがあります。そこで、メーカーさんなどから営業の仕事だけを請け負っているのです。つまり営業のアウトソーシングを請け負っている会社に勤めています。

私はもともと製造業で営業をしていましたので、営業のキャリアは結構長く、イオンなどの量販店や、マツモトキヨシなどのドラッグストアなどへの営業経験もありましたので、今回の転職でそのまま経験値を生かせる仕事に就くことができました。

転職前の仕事と職務内容

私は元々日用品メーカーに勤めており、営業職をしておりました。転職をしたこともありますが、日用品業界に30年近くおります。また、営業職はあちこち地方に行かされることも多く、北海道から沖縄まで仕事で行ったこともあり、フットワークは重くはない方でした。

直近ではある化粧品メーカーに勤務していました。それほど大きくはない会社でしたが、会社規模の割には知名度のある商品を持っていました。女性なら80%くらいの方が知っているブランドでした。

その会社は10年足らずのベンチャー企業だったのですが、会社自体がなかなか紆余曲折あった会社でした。業界での評判はあまり芳しくなく、離職率も高いと噂されていました。数年前、知人がそこで営業本部長をやることになり、一緒にやらないかと誘われました。以前と資本も会社の体質も変わったというので入社することにしました。

仕事の内容は営業だったのですが、その会社のルーティーンの営業ではなく、うまくいっていない取引先の業績を上げるというプロジェクトチームに配属されました。

転職した理由

プロジェクトチームと言っても上司と私の二人だけ。基本的には他の営業さんとは別部隊で動いていました。別部隊で動いていることと、私だけ年齢が高く、他の営業さんは20代から30前半と若いこともあり、あまり親密にはなれませんでした。

また、営業部は営業課長と営業部員が全員ほぼ同期で仲良くしていました。これが転職を考えた原因のひとつでもあります。みんな同期で仲がいいということは、とりもなおさず排他的ということなのです。中途入社の人間には厳しい会社でした。

私もいい歳なので、自分から馴染もうとせずにこの会社にはなじめないなどというようなことはしておらず、なんとか会社と営業部に馴染もうとしたのですが、結局一線を越えることはできませんでした。

これは私だけに限ったことではなく、私と同期で入社した女性社員は、「正社員で入社できてうれしいです」と言っていたのに1年足らずで辞めてしまいました。また、50人の面接の中から選ばれた管理職候補として入社してきた40代の男性は6日で辞めてしまいました。

この男性と私は年が近いこともあり、タバコを一緒に喫いに行ったり、会社の指示で同行をしたりしていたのですが、「(私)があることないこと吹き込んだので今度来た管理職候補は6日で辞めた」と噂されていたそうです。これもこの会社にはいたくないと思った要因のひとつです。ベンチャー企業でも古参が意味もなく偉そうにしているというのはままあることなのだそうです。

転職を考えた一番の理由は営業課長がヒステリックで、自分の言うことが常に正しく、気に入らない部下のことは信用していないという態度がもろ解りの人だったことです。

「いちゃもんをつけてくる」という表現がぴったりの人でした。とにかく気に入らないとすぐ怒鳴りつける、機嫌が悪い時はメールで文句を書いてきてその後知らん顔、自分が間違っていてもあやまるということができない人でした。長いことサラリーマンをやっていますが、ここまで自分を正当化することに熱心な人には会ったことがありませんでした。

転職先は知人のコネで探す

転職については以前より転職サイトやエージェントには登録しており、時折チェックしていましたが、私のいる業界はけっこう狭く、評判のいい会社の求人が転職サイトでることはほとんどありません。

大体が知人を介して転職することが多く、転職サイトに出てくるのはしょっちゅう募集をかけている離職率の高い会社、いわゆるブラック企業か、別業界から新規参入してきた企業がほとんどです。ですから正直言って公募ではなかなか当たりの会社はないのです。

なので、私は会社に見切りをつけた時点で知人に良い会社があったら紹介してくれと声をかけていました。

実は今の会社に決まる前、他にもう一社知人が紹介してくれていました。転職というのは募集がない時にはないのですが、ある時には何故か被ってしまうものです。その会社は仕事内容と給料は魅力的でしたが、勤務条件が厳しく、8:30出社の上、自宅から1時間半もかかるオフィスでした。その頃私は家庭の事情で朝7:00に家を出ることが不可能だったため、お断りしました。

今の勤務先を選んだ理由

現在の転職先の会社は知人が2人勤めており、知り合いがいる会社ならやりやすいだろうと思ったことが一番です。とにかく仕事でもめるのは究極人間関係か金しかないわけで、前職で人間関係に嫌気がさしていたので、とにかく人間関係の悪くない会社がいいと考えていました。

また、知人がいるので転職前にその会社の状況や雰囲気を事前に聞けたのがよかったです。幸い知人の話ではやりやすそうな会社でしたし、今までの営業としてのキャリアがほぼ全部活かせることができそうなので、面接して頂くことにしました。

知人の紹介ということもあって一回目から社長面接して頂くことになりました。この会社自体は上場会社ではありませんが、上場会社の子会社であり、社員も300人以上いるという思っていたよりも大きな会社でした。親会社は私も知っている日用品業界では有名な会社です。大手ならではのガツガツしていない余裕が面接の時に感じられました。

知人が根回ししてくれていたようで、社長との面接はスムーズに進みました。私のキャリアも買ってくれており、私が社長の苦手としているジャンルの営業経験が長いということもあり、即戦力になると認識して頂いたようです。初回面接でほぼほぼ入社できることは決まり、二回目の面接で具体的な条件が提示されました。給料は若干下がりましたが、のちにこの給料に納得することになります。

転職直後の不安と安心

入社後、二日ほどオリエンテーションがあり、三日目から仕事開始です。この会社は本社が狭く、社員も外勤営業が多いため、オフィスに決まったデスクがなく、ほとんどの社員が毎日直行直帰するシステムなのです。今まで勤めていた会社では直行直帰はあるものの、オフィスには自分のデスクがあったため、毎日直行直帰という勤務状態に「ほんとにサラリーマンなのかな」と不思議に思う気持ちもありました。また、他の社員と顔をあわせたり、話をする機会がないため、「会社員」というよりも自営業に近い印象を受けました。

なにより良かったのは会社にヒステリックなひとがいないことです。これが精神衛生上一番安心しました。また、仕事内容は営業なのですが、予算というか数字上のノルマがないのです。営業活動の内容は厳しく問われ、報告書も他社に比べて綿密に書かねばなりませんが、月末になって会社が殺気立つこともなく、営業予算の未達で追い込まれることもないので、気持ち的には本当に転職して良かったと思いました。

転職から1年経って

転職後、数ヶ月も立たずに仕事には慣れてきました。業界は同じですし、営業は多少売るものが違ってもやることは基本的に同じなので、特に困ることもありませんでした。

また、月に一度は本社で会議があるのですが、やはり取り立てて変わり者もおらず、会議も穏便に進んでいます。

給料に関しては以前よりもほんの少し下がったのですが、前職のような人間関係で苦労する会社にいるよりは数段楽しく働けています。同じような給料でも地獄の会社と天国の会社というものはあるのだなあと実感しています。前職は残業手当が出ないのに残業せざるを得なかったのですが、今の職場は基本的に残業がありません。なので、時間的精神的余裕が持てるようになりました。

1年たって上司も変わりましたが、その方もいい人で、やはりいい会社には変な人は少ないんだなあと実感しております。また、取引先もちょいちょい変わったりしていますが、基本的には今までのキャリアで関わってきた企業がほとんどなので、特に問題もなく仕事ができています。

転職して激変した生活

何より変わったのは定時に帰れるということです。しかもほぼ毎日。30年近くサラリーマン生活をしていますが、初めての経験です。なので、家に帰ってから私が晩御飯を作ることもできるようになりましたし、趣味のことをする時間も取れるようになりました。

また、以前は仕事での緊張をほぐすのに毎晩深酒をしていたのですが、ストレスが減ったため、お酒の量も減りました。やはり仕事でのストレスが減ったことにより、体調も良くなりました。

仕事でのストレスはやはり体に出るもので、胃痛に悩まされていたり、夜、眠れなかったり、変なところでは足がものすごく臭くなったりしたのですが、そういったことがほとんどなくなりました。昔のイヤなことを思い出すことはまだありますが、職場でのストレスが減ったことがなにより幸せです。

今の仕事に悩んでいる方へ

転職しておいておかしなことを言うと思われるかもしれませんが、理想的にはひとつの会社で長く務めるのが良いと思っています。同じ会社で仕事を続けるというのはやはりメリットがあるものです。会社にも居やすいですし、取引先との関係も深くなりますし、昇給もあるかもしれません。なので、今の仕事を続けられる限りは転職する必要はないと思っています。

でも、壊れてしまうくらいなら転職することをおすすめします。壊れながら今の会社にしがみつく必要はないと思っています。最後は体が資本です。多少給料が減ったとしても毎日楽しく仕事ができる場所もあるのです。

仕事の厳しさは基本的には給料に正比例すると考えています。年収400万の仕事より年収700万の仕事の方が厳しいですし、700万の仕事より1,000万の仕事の方が厳しく、また責任も大きくかかってきます。ですが、同じ400万の年収でもしんどい職場と楽しく仕事ができる職場があります。

それは転職してみなければわからないことですが、今の仕事が自分には厳しすぎると思うのなら転職することを怖がらないでチャレンジしてみることをおすすめします。会社というのはなかなか自分の都合のいいように変えられるものではありません。自分の立ち位置を変えることで幸せになる可能性があるということを、お知らせしておきたいと思います。