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働きながらもらえる?知らないと損する年金・保険・税金の話|シニアの仕事

シニアの仕事とお金とライフプラン|知らないと損する年金・保険・税金の話

「働き始めたら、年金は減らされちゃうの?」 「退職金、どう使うのが一番賢いのかな?」 「失業保険や健康保険…手続きが複雑でよく分からない」

セカンドキャリアを考え始めるとき、仕事内容と同じくらい、いえ、それ以上に気になるのが、こうした「お金」にまつわる問題ではないでしょうか。

年金、保険、税金。これらの制度は、私たちの生活を守る大切なセーフティーネットですが、仕組みが複雑で、知らないうちに損をしてしまっているケースも少なくありません。特に、働き方が多様化する50代・60代にとっては、制度を正しく理解し、賢く付き合っていく知識が不可欠です。

この記事では、そんなシニア世代のお金の悩みを解消するため、「働きながら年金はもらえる?」「退職後の保険や税金はどうなる?」といった疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。この記事を読めば、お金の不安が軽減され、安心してあなたらしいライフプランを描くための一歩を踏み出せるはずです。

働きながら年金はもらえる?在職老齢年金の仕組み

多くの方が気になるのが、「給料をもらいながら、年金も満額受け取れるのか?」という点でしょう。これに関わるのが**「在職老齢年金」**という制度です。簡単に言うと、お給料(賞与含む)と年金の合計額が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止になるという仕組みです。

対象者 支給停止の基準額(2025年10月時点) 年金がカットされる計算式(簡易版)
60歳~64歳 給与と年金の合計月額が 50万円 を超えた場合 (給与+年金月額 - 50万円) ÷ 2 = 支給停止額
65歳以上 給与と年金の合計月額が 50万円 を超えた場合 (給与+年金月額 - 50万円) ÷ 2 = 支給停止額

【表の解説】 以前は60代前半と65歳以上で基準額が異なっていましたが、法改正により2025年現在は60歳以上であれば一律で50万円が基準となっています。

【具体例でシミュレーション】 65歳、年金月額15万円の方が、月給40万円(賞与を12で割った額を含む)の会社で働いた場合…

  • 合計月額: 40万円(給与) + 15万円(年金) = 55万円
  • 基準超過額: 55万円 – 50万円 = 5万円
  • 支給停止額: 5万円 ÷ 2 = 2万5,000円
  • 実際に支給される年金額: 15万円 – 2万5,000円 = 12万5,000円

【実践的なアドバイス】 「働き損」にならないためには、ご自身の年金受給額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で正確に把握し、再就職先の給与と合わせてシミュレーションしておくことが重要です。また、年金の支給停止を避けるために、あえてパートタイム勤務で収入を調整するという働き方も賢い選択肢の一つです。


雇用保険(失業保険)はいつまで、いくらもらえる?

定年や自己都合で退職し、次の仕事を探す間の生活を支えてくれるのが**「雇用保険(基本手当)」**、いわゆる失業保険です。受給できる日数や金額は、年齢や雇用保険の加入期間、退職理由によって異なります。

64歳までに退職した人 65歳以降に退職した人(高年齢求職者給付金)
制度の名称 基本手当 高年齢求職者給付金
支給方法 原則、4週間に1回、認定日にハローワークへ行き、失業状態の認定を受けて支給 一時金として一括で支給
支給日数 90日~150日(自己都合退職の場合)
90日~330日(会社都合退職の場合)
30日分 または 50日分(加入期間による)
もらえる金額の目安 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180 の 約50~80% 上記の基本手当と同じ方法で計算した額 × 日数分

【表の解説】 一番大きな違いは、退職時の年齢が65歳を境に制度が大きく変わるという点です。64歳までに退職すれば、複数回にわたって手厚い「基本手当」を受けられますが、65歳の誕生日以降に退職すると、支給日数が少なく、一時金として支払われる「高年齢求職者給付金」に切り替わります。

【実践的なアドバイス】 もし、65歳を目前に退職を考えているのであれば、退職日を65歳の誕生日の「前々日」以前にすることで、手厚い「基本手当」の対象となります。退職日を一日ずらすだけで、受け取れる総額が大きく変わる可能性があるため、ご自身の退職時期は慎重に計画しましょう。手続きは、お住まいの地域を管轄するハローワークで行います。


再就職後の健康保険と税金はどうなる?

退職すると、これまで会社の給料から天引きされていた健康保険や税金の仕組みが変わります。特に健康保険は、手続きをしないと無保険状態になってしまうため、注意が必要です。

退職後の健康保険、3つの選択肢

退職日の翌日から、これまで使っていた健康保険証は使えなくなります。空白期間を作らないよう、速やかに以下のいずれかの手続きを取りましょう。

選択肢 特徴 こんな人におすすめ
① 任意継続 退職した会社の健康保険に、最長2年間継続して加入する制度。保険料は全額自己負担(在職中は会社と折半)になる。 ・扶養家族が多い人
・退職後すぐに再就職の予定がない人
② 国民健康保険 市区町村が運営する健康保険に加入する制度。保険料は前年の所得などによって決まる。 ・任意継続の保険料よりも、国保の保険料の方が安い人
・自営業やフリーランスとして働く予定の人
③ 家族の扶養に入る 配偶者や子どもが加入している健康保険の被扶養者になる制度。被扶養者になれれば、保険料の負担はない ・自分の年間収入が130万円未満(60歳以上は180万円未満)などの条件を満たす人

【表の解説】 どの選択肢が最も保険料を抑えられるかは、あなたの収入や家族構成によって異なります。**「任意継続」は、在職時の給与が高かった人ほど保険料も高くなる傾向があります。まずは市区町村の役所で「国民健康保険」**の保険料がいくらになるか試算してもらい、任意継続の保険料と比較検討するのが賢明です。再就職先が決まれば、基本的にはその会社の健康保険に加入することになります。

再就職後の税金(住民税・所得税)

  • 住民税: 前年の所得に対して課税されるため、退職した翌年も支払いが必要です。在職中は給料から天引き(特別徴収)でしたが、退職後は自分で納付(普通徴収)に切り替わります。再就職先が決まれば、再び天引きにできます。
  • 所得税: 再就職先で年末調整をしてもらえば、基本的には自分で確定申告をする必要はありません。ただし、退職した年に再就職しなかった場合や、年金以外の所得(不動産収入など)がある場合は、翌年に確定申告が必要です。

退職金の上手な活用法とセカンドライフの資金計画

長年の勤労の対価である退職金。これは、あなたのセカンドライフを支える非常に大切な原資です。感情的に使ってしまうのではなく、冷静な計画のもとに活用しましょう。

やってしまいがちなNGな使い方 賢い活用のためのOKな考え方
① 退職記念に豪華な旅行や車を購入する まずは生活防衛資金(半年~1年程度の生活費)を確保し、残りを計画的に使う。
② 退職金が入った口座をそのまま給与振込口座として使う **「使うお金」と「守る・増やすお金」を明確に分け、別の口座で管理する。
③ 金融機関に勧められるまま、よく分からない金融商品に投資する すぐに決めず、まずはNISA**など国が推奨する税制優遇制度から少額で始めてみる。

【表の解説】 退職金というまとまったお金を手にすると、気持ちが大きくなりがちです。しかし、これは「ご褒美」であると同時に、「これからの数十年の生活を支える命綱」でもあります。まずは、**「①自分のセカンドライフで、毎月いくら必要か」を計算し、「②年金で足りない分はいくらか」**を把握しましょう。その不足分を、退職金で何年間補うことができるのかを計算することで、初めて冷静な資金計画が立てられます。


65歳以降も働き続けるメリット・デメリット

「人生100年時代」、65歳はもはやゴールではありません。多くの人が65歳以降も働き続けることを選択しています。そのメリットとデメリットを理解し、自分らしい選択をしましょう。

メリット デメリット
① 経済的な安定: 年金に加えて収入が得られ、生活にゆとりが生まれる。将来のための貯蓄も増やせる。 ① 体力的な負担: 無理のない範囲で働かないと、健康を損なうリスクがある。
② 健康寿命の延伸: 定期的に外出したり、頭や体を使ったりすることが、心身の健康維持に繋がる。 ② 自由な時間の減少: 趣味や旅行、家族と過ごす時間が制約される。
③ 社会との繋がり・生きがい: 職場でのコミュニケーションや、誰かの役に立っているという実感は、生活にハリとやりがいをもたらす。 ③ 新しい環境への適応: 若い世代との価値観の違いや、新しいルールの習得にストレスを感じることもある。
④ 年金の増額: 70歳まで厚生年金に加入し続けると、将来受け取る年金額を増やすことができる。 ④ 在職老齢年金による調整: 収入によっては、年金が一部支給停止になる可能性がある。

【表の解説】 65歳以降に働くことは、単にお金のためだけでなく、健康や生きがいといった、人生の質(QOL)を高める上でも大きなメリットがあります。大切なのは、**「何のために働くのか」**という目的を明確にし、体力や価値観に合わせて、無理のない範囲で自分に合った働き方(短時間勤務など)を見つけることです。

まとめ:正しい知識が、豊かなセカンドライフの羅針盤になる

シニア世代の仕事とお金の問題は、誰もが直面する課題です。しかし、公的な制度は「知っている人」を助けてくれるようにできています。

  • 働く前に、在職老齢年金の仕組みを理解する。
  • 退職時期を計画し、雇用保険を最大限に活用する。
  • 退職後の健康保険は、比較検討して賢く選ぶ。
  • 退職金は、冷静なライフプランに基づいて計画的に使う。

この記事で得た知識を「羅針盤」として、ぜひ専門家(年金事務所、ハローワーク、市区町村の窓口など)にも相談しながら、あなただけの豊かなセカ-ンドライフプランを築いていってください。