いまではあまり聞かれなくなりましたが、我が国日本では終身雇用制度というものがあります。終身雇用制度とは新卒で入社後その会社に定年まで勤めることです。
昭和生まれの人なら子供の頃から「いい会社へ就職しなさい」そのためには「いい学校へ入りなさい」なんて教育を受けてきたことでしょう。良い収入を得られる会社に勤め、永続的に勤務することこそ唯一の幸せへの美学とされていました。
昭和の高度成長期には終身雇用制度という考え方が社会に定着しており、
- 中途半端に仕事をやめたら、
- 早期退職したら、
周囲では一体何があったのか、なぜ辞めたのか等疑いの目を向けられることは普通でした。人生の終盤まで勤務できずに早期に退職する行為は、世間ではあまり良い方向では見ていなかった時代もありました。
終身雇用制度の時代は終わった
この終身雇用制度は日本だけのもので外国にはありません。
とある国では、転職初日の昼休み自席でランチをとりながら新聞を熟読している人がいます、就職募集欄を、です。
その国では5年勤めれば永年勤続表彰をもらえます。
10年勤務となると、それはもうレジェンドです。
ちょうど日本経済のバブルがはじける前後でしょうか、各企業は盛んに海外に進出して行きました。メーカーは国内生産を止め、労働賃金の安い外国に工場を建てたのです。そして多くの現地の作業者を雇用したのですが、その過程の中で早期退職の制度が少しずつ創られてきたとも言われております。
同時に終身雇用制度という考え方も薄れていきました。
そしてよく耳にする早期退職制度なるものが現れます。
早期退職優遇制度がある企業の割合
退職一時金制度を有する企業について、早期退職優遇制度の有無をみると、早期退職優遇制度を有する企業は18.8%となっているが、1,000人以上の規模の企業においては半数以上が制度を有している。※出典:2011政府統計の総合窓口(e-Stat)
早期退職制度には大別して2種類あります
一つは、企業業績の悪化でやむなく人員削減をするときです。これは企業側から従業員に対して半ば半強制的に辞めてもらうものです。表向きは「辞めてくれ」などと言う形が目に見えるものではありませんが、企業の業績悪化などで突然早期退職を募集する流れになったりするもの。これらが企業業績に起因する早期退職です。
会社の業績は悪化してるところでの退職者募集ではありますが、それなりに退職一時金は増額されます。ただこれはあくまで緊急避難的に出てくるもので、また各企業の財務体力にもよるものなので、いわいる一時金の相場というものはありません。
そしてもう一つは、
早期退職優遇制度というもので、常時準備されているものです。
企業の本心は「仕事ができて優秀な人は残ってもらい、そうでない人はなるべく早く辞めてもらいたい」なので、従業員が退職の申告をしても、この制度による退職を最終認定するのはあくまでも企業側です。
少し不公平かもしれませんが、民間企業ではこうでもしないと厳しい競争に勝てないかもしれません。
相場としては、給与と勤続年数をベースとした基本額に、大企業では年収1年分程度を上乗せされることが多いようです。また最近では一時金の代わりに、退職時の年収を例えば3年間保証する等の新方式も出現してきております。
早期退職を申し出て認められたら、皆さんは喜びますか、がっかりしますか、少し複雑ですね。
2015年ころからは永年勤務よりも年齢に関係なく多くの仕事や職種を経験してる人のほうが転職や再就職にも有利になることも増えてるようです。
時代は変わたんですね。職場にしがみつくような固執した考え方ではこの先の社会を生きていくのも大変なのかもしれません。
では、早期退職で貰える退職金はどのようなものか?
こちらのページで見ていきましょう。
